GoCon受賞者はかく語りき ~江津の創業支援の事例~


━━━平下 茂親氏(DESIGN OFFICE SUIKIMONO 代表

  • 2012年、アメリカ・ニューヨークから江津市へUターン。同年5月にDESIGN OFFICE SUIKIMONOを設立し、現在同市内に事務所を構える。同年10月、江津市ビジネスプランコンテスト2012で大賞を受賞した。Uターン後から現在まで、どのような創業支援制度を活用したのか、お話をうかがった。
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━━━平下さんは2012年同年5月にDESIGN OFFICE SUIKIMONOを設立されましたが、これは昨年の江津市ビジネスプランコンテスト(以下、ビジコン)の前ですね。

  •  今の事務所に移る前は江津駅前のインキュベーションオフィスに入居していました。そこにはNPO法人てごねっと石見が入居しているのですが、てごねっと石見には江津市や他地域の行政、まちづくり関係者がよく出入りしていることもあって、僕らにも紹介してもらいました。おかげで、普通に事務所を構えていたらまず会わない人たちと会うことができた。今こうやって様々な機関から支援していただいているのは、あのインキュベーションオフィスにいて色々な人たちと出会ったことが大きく影響しています。


━━━江津駅前という立地条件がプラスに働いた、と。

  •  そうですね。駅前に事務所を構えたこともあって、SUKIMONOも駅前商店会の青年部に入り、空き店舗の改修に関わることができました。その店は商店会青年部が運営していて、私もカウンターに立つことがあります。すると、「この店の改装デザインはSUKIMONOがやった」と青年部のメンバーが宣伝してくれたりして。設立当時はお金もないし、実績もありません。その中で今これだけ仕事をいただいているのは、駅前で起業したことがプラスになっていると思います。

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   商店会青年部が運営する52Bar。以前の趣きある珈琲館の内装を活かしてデザインされた。



━━━ビジコンで大賞を受賞された後の動きは?

  •  ビジコン終了後、あちこちから仕事をいただくようになって忙しくなりました。そんな中、今後金額が大きな仕事を受けることになった場合に備えて、会社を法人化しておいたほうが良いだろうという話になって。大きな案件になれば法人としての信用が必要になりますからね。そこで、しまね産業振興財団に相談し、会社の法人化に必要な手続きの方法などのアドバイスをいただきました



━━━法人化したことで何か変わりましたか?

  •  法人化したことによるメリットとして、お金を借りやすくなったことがあります。日本海信用金庫に相談して、創業支援資金という商品を紹介してもらいました。起業した人・法人向けということでいろいろと優遇されていますね。そこで借り入れたお金は創業に必要な運転資金に充てています。
  • 会社の法人化が済んで、今度はSUKIMONOとして単独の事務所を持つことにしました。インキュベーションからの巣立ちというわけです。駅前で新しい事務所の移転先を探しつつ、江津市から空き店舗活用事業を紹介してもらい、事務所改装費の一部を助成していただきました。
  •  メリットとは少し違いますが、会社として従業員を持ったことで変わったことがあります。今までは自分の周りの人が楽しくやっていけたらいいと考えていたんですが、最近では江津のまち全体に会社としてどんな価値を提供できるか、と意識が変わりました。これは2012年9月に江津青年会議所の会員になり、そこでの活動の中で様々な経営者と接する中で学ばせてもらいました。


━━━会社の事業の面で活用している支援制度は。

  •  建設業の許可を受けるためにはどうすればよいのか江津商工会議所に相談したところ、中小企業支援ネットワーク強化事業を紹介していただきました。僕らには建設業の許可を受けるといった手続きの経験がなかったため、その制度を活用して江津商工会議所から行政書士の方を紹介していただき、支援してもらっています。無料なのが助かりますね。
  • 他にも、江津市中小企業等競争力強化支援事業という制度があり、販路開拓事業の一つとしてホームページ開設費等の一部を助成してもらえます。こちらも活用しました。


━━━どんなところに支援制度を活用するメリットを感じますか。

  •  極端な話、助成金がなくてもやっていこうと思えばいけると思います。でも、助成金のおかげでいろいろチャレンジができる。たとえば500万円の案件があったとして、それに助成金を加えることで800万円になると当然出来上がるものは違ってくるし、その中で僕らは新しいことに挑戦できるんですよ。支援制度が背中を押してくれる、そんな感じです。



━━━今後、活用を考えている支援制度はありますか。

  •  新規事業を立ち上げる場合、新たに雇用する必要が出てきます。でも田舎では優秀な人材が市外や県外に流出しがちで、人材確保が難しい。そうなると地元で新たに人材を育てなければならないんですが、知識も経験のない人を雇って教育するほどの体力が僕らにはありません。人件費は経費の大部分を占めますから。そこで今考えているのは、厚生労働省の若者チャレンジ奨励金という制度です。たとえば経験はないけど有望な若者を自社で雇用し、実習と座学を組み合わせた訓練を実施することで訓練奨励金を受け取り、給料として支払うことができます。


━━━最後に江津の支援体制について。

  •  支援いただいている各機関に共通していることは、みんなとにかく熱心に相談にのってくれますし、すごく応援してくれます。そんな中で、江津で起業する人が増えればうれしいですね。


(2013年.6月末)



事務局

NPO法人てごねっと石見

創業支援、人材育成、地域プロデュース 

2011年4月に設立したNPO法人てごねっと石見。島根県内でもとりわけ人口流出の激しい江津市を拠点とした、地域づくりに燃える人々のネットワーク。産業人材コーディネーター、地元経営者、学校校長、行政職員など、熱い想いを持って自ら動ける人間の集まり。

NPO法人てごねっと石見 http://tegonet.net




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